toscanaAC’s blog

雑記です。

ゲーム感想 Buddy Collection if -宿命の赤い糸-

推理ゲームとしては面白いけど、若干消化不良。

Buddy Collection if

Buddy Collection if

昨年末、年末年始用にメンヘラフレシアと一緒に買ってプレイしたのがこのBuddy Collection if -宿命の赤い糸-だ。推理アドベンチャーで昔からあるジャンルの1つなんだけど、主人公が女性でバディは男性、いわゆる恋愛要素というのも少し入っている。といっても微量といった程度なので、ゲームのプレイには男性でも違和感なくプレイできると思う。

主人公

舞台は探偵を養成する高校、主人公の女性は優秀な探偵の卵であったもののある事件に関わり記憶喪失の状態になってしまい、その時のバディ(相棒)も安否が不明だ。因みにゲーム開始時に名前を変更できる。(関係ないけど、タイトル絵の主人公、スカート短すぎやしないか?)

成績が悪いクラスでバディのいないメンバーと一緒に校内にある地下合宿所での演習を受けるところから、物語は始まる。

元はPCのフリーゲームだけどswitch版は他バディの追加ルートを増やしたのと、後のエピソードで関わる優秀な特Aクラスのメンバーも加わった人狼ゲーム、そして物語の核心に親しい人物とのわずかな関わりを収録している。

先に感想を言ってしまうと、推理としてはオーソドックスなんだけど背景にある過去の誘拐事件の真相は闇のままだし、演習の目的も上辺の理由は述べられているもののわからないことが多い、だから冒頭に消化不良と書いた。

シリーズ物で今後それらの内容を少しずつ明かしたゲームが出てくると思うんだけど、PCゲーム側でまだ完結もしていないため、後から出るswitch版は更に先になると思われるし、この記事とは別になるけど番外編もプレイしているとswitchだけでは知らないエピソードが回想に挟まっていたりするので、率直に言えば風呂敷広げすぎ感がある。

それと、このifは2018年に出ていて、番外編は2021年と間が開きすぎだ。

内容として面白くても、ここまで時間が掛かるのも考えものだ。有償であるswitchで続編出したほうがコスト回収にもなると思うんだけどね・・・。

ということで主人公のバディ(相棒)なる候補も含めキャラの感想も書いてみる。多少トゲのある感想になるので、このゲームや女性向けアドベンチャーゲームが好きな人は見ないほうがいい、と思う。

ストーリの基本は同じで、誰をバディに選ぶかで少し視点の違った物語が見えてくる。

戌亥 信吾

戌亥 信吾

まず、戌亥信吾から。女性主人公で且つ恋愛要素もあるアドベンチャーゲームということもあって、男性のタイプはいくつかに分かれる。(すごい偏見になるんだけど、いわゆる女性が好きになりやすい男性のタイプなのかな?)

戌亥は朴訥ではあるけど身体面で圧倒的なパワーを持ち、加えてエスパー並の勘をもつ。そして何があってもお前を守るって主人公に宣言するフレーズに、気持ちにときめかせる女性がいるのかもしれない・・。

男性が優しい女性がたくさん出てくるゲームに心をときめかせてるのと同じようなものだろう。

彼は9年前の事件の関係者でそのことを引きずっている。主人公にバディを組んで欲しいと願うのもその事件がきっかけになっている。

力の面で頼れる上に何かあった時に助けてくれる頼もしさがある、そんな男性が戌亥なんだけど、個人的な感想としては勘の強さ以外の能力値は高くないためドラスティックに考えればバディとして選びたくない存在だ。

少々ねじ曲がった見方かもしれないけど、戌亥自身が語るように勘が当たってもそれを論理的に説明する術が無く、証明することができないというのは、探偵として見ると致命的と言わざるをえない。相棒が常にそばにいる訳ではないので、お互いが補完しあう関係は見ていて心地はいいけど、1人になったときはウィークポイントになってしまうと思う。

バディに戌亥を選択すると、九条と瀧がコンビになり主人公への疑惑の目を向けてくるようになる。戌亥の特性である勘が役に立つ時が少ないのが気になる。(体力技では優れてるんだけどね・・)

BAD END

また、九条や瀧と対峙した時に選択を間違えるとBAD ENDにつながることが多い。

九条 悠

九条 悠

次は九条 悠。いわゆる見た目はチャラいけど実は真面目っていうキャラだ。チャラいだけのキャラは嫌われるけど、上辺だけで中身がしっかりしていてアツい男というのは好印象になるんだと思う。

彼は血液恐怖症という探偵としては致命的なウィークポイントを持っている。ただ、単なるウィークポイントではなく状況によってはアドバンテージにもなる素養があって、この症状は血液感知能力にもなっている。

そのため、流血がある場所の近くに行けば体調がわるくなる体質を活かして事件の早期発見ができる点が強みだ。

探偵としての推測/推察の能力は戌亥よりは良いという程度で飛び抜けて高いわけではないけど、コミュニケーション能力が高く、協調性があるので事件に対しては周りとのトラブルを避けつつうまく立ち回ることができるのがメリットだ。

ただ、流血があると倒れて役にたたなくなるので、トータルバランスで戌亥よりも劣ってしまう印象がある。(戌亥だと力技で切り抜けられるところでも彼では対応できない。ただ、ストーリー上頭脳で切り抜けることができるケースが多い)

バディに九条を選択すると、戌亥と瀧がコンビになり主人公への疑惑の目を向けてくるようになるけど、戌亥は基本主人公を信じているため害になることはなく、主に瀧が疑念を抱いてあれこれ詮索してくるといった方が正しいかな。そのため、瀧と対峙した時に選択を誤るとBAD ENDになる。

九条を選ぶと血液恐怖症のアドバンテージがあちこちで働き、推理を進めていく上で役に立つんだけど、九条もまた9年前の事件の関係者で、そのことから一時主人公を疑ったりすることもあるので戌亥のように直球で対応するより変化球な対応が必要になってくる。

ANOTHER END

それと、どのバディでもそうだけど最後の選択肢を間違えるとANOTHER ENDになる。クリア扱いではあるけど、エンディングは流れない。

瀧 翔太

瀧 翔太

最後は瀧 翔太。完全に性格が歪んでいるタイプで、発言の殆どが捻くれているし皮肉も多い。ただ元特Aクラスだったこともあり、推理能力は非常に高い。こういうタイプに人気があるのか私にはわからないけど、男性版ツンデレみたいなものなんだろうか??

彼は推理能力が高かったり、全体の状況を把握して危険に対応する能力があるけど、協調性が乏しく単独行動を好む。おまけに彼も9年前の事件の関係者であることから主人公を一番疑っているため、協力して捜査するといったことを嫌う。

バディに瀧を選ぶとしばらくは別行動になる上に、そのバディに疑われて選択肢を間違えるとBAD ENDになる。更に戌亥と九条がコンビになって主人公へ疑いの目を向けてくるので、周りはみんな敵みたいな状態になるので結構厳しい。

それと普段感情を表に出さないものの、一度感情的になると強引な行動を取るので厄介だし、彼の推理力が役に立つケースが少なく主人公とぶつかることが多いため他の二人と違って難易度が高い。

このゲームでは瀧に対してどう対処するか?がどのバディを選んだとしても重要になる。

七見 隼人

七見 隼人

特Aクラスの生徒で記憶をなくす前の主人公とも仲良くしていたものの、現在は忘れられてしまい残念に感じている。すでに同じ特Aの坂城 美貴とバディを組んでいるものの主人公がOKするならバディになってもいいと思っている。

「犯人と探偵」の人狼ゲームで主人公と一緒に犯人側として行動していくものの、得意分野が特に見当たらないためそれを生かした対応というものが無い。

また人狼と言っても多岐に渡るストーリーではなくおまけ的なものなので、意外とあっさり終わってしまうのが残念だ。

坂城 美貴

坂城 美貴

七見同様に特Aクラスの生徒で記憶をなくす前の主人公とも仲良くしていたものの、主人公とバディを組んでいた早瀬 颯馬に憧れていることもあり、それを忘れた主人公にキツくあたることが多い。

それとゲーム中で名前を坂城ミキと言っているけど、どうも本名ではないらしい。NOTE(ゲームでは登場人物や事件に関係することなどはNOTEの中にまとめれらていて、いつでも参照することができる)の登場人物には、この人だけ名前の英語表記が無いし、キャラアイコンはこの人だけミキとカタカナ表記になっている。ゲーム中にキャラの脇に名前が出た時はSAKAKI MIKIと出ていたんだけどね。

グラフィックをみるとセーラー服の上にコートっぽいものを羽織ってスカートなので女性のように見えるんだけど、一人称がボクなので実は女装しているだけで名前の美貴はヨシタカなのかもしれない・・などと考えたりもした。

同じく「犯人と探偵」の人狼ゲームで主人公と一緒に犯人側として行動するんだけど、見た目に反して戌亥同様にパワータイプなので力で押すことができる。ただ、流れが七見同様なので七見側をクリアすると坂城側も楽にクリアできてしまうのが、ちょっと勿体ないかな。

クリアするまでは主人公に懐疑的だったものの、クリアすると心を開き主人公がOKならバディを組んでもいいと言ってくれる。

佐伯 恭介

佐伯 恭介

探偵を養成する学校の教師で、主人公にバディを選んでもらうための演習を持ちかける。3人のバディ候補のルートをそれぞれクリアし、且つ特Aクラスの2人が加わった「犯人と探偵」の人狼ゲームをクリアするとこの佐伯ルートが解放される。

メインストーリーには絡まず、大した内容ではないものの、最後の最後に佐伯の思惑を垣間見ることができる。

ストーリーの根幹となる部分にこの佐伯が関わっている可能性が高いため、それを匂わす演出なんだろうけど、これが返って消化不良になっている部分じゃないかと思っている。

総括すると推理ゲームとしては面白いと思ったけど、ストーリーが5話完結の1話目を拡張した内容になっているため、その縛り(ストーリーを大胆に変更できない)からifの選択肢になる九条や瀧をバディとした場合でも同じ内容になってしまうのが残念だ。

加えて人狼ゲームはどちらのバディを選んでも大差が無いところも残念。

内容的にみて値段の880円を高いと考えるか安いと考えるかは人それぞれだろうけど、個人的にはちょうどいい値段だとは思っている。ただ、人狼ゲームだけでもバディを変えることで展開が変わって欲しかったかな。

以上、感想でした。