toscanaAC’s blog

雑記です。

ゲーム感想 未然探偵 The Protea Cases

ハズレの無いアドベンチャーゲーム。楽しかった!

未然探偵 The Protea Cases

未然探偵 The Protea Cases

テントアンドツリーをプレイしてパズルに頭を悩ませた後にプレイしたのは、安定したアドベンチャーゲームを作成するOrangeの未然探偵だ。

Orangeは、神宮寺シリーズや狗鷲などの制作を手掛けている会社で、オリジナルのアドベンチャーはゴシックマーダー、少女首領の推理領域 黄金島の密約、そして今回感想を書く未然探偵 The Protea Casesで、第3弾となる。

公式サイトに載っているものの、概要についてちょっと簡単に書いてみる。主人公は伊月千春、自身が被害にあったとある事件がきっかけで警察官を目指すものの2回の試験に落ち、結局都内新宿にある探偵事務所に探偵見習いとして就職した伊月。

女性からの依頼者のため、所長から一人で対応するように言われた伊月は調査の中でひょんなことからスマホアプリ「プロテア」をインストールすることになる。

プロテアの事件予測

このプロテアというアプリ、心理学を学んだ人の判断力をAIとして組み込み各種情報から犯罪予測を立てるという警視庁が開発する極秘のアプリで、情報精度はセキュリティレベルが上がる程に高くなっていくというものだ。主人公の伊月は調査の過程でこのアプリをインストールすることになり、予測された犯罪に対し警視庁の敏腕刑事と探偵事務所の所長、そして事件現場に居合わせる謎の青年と関わりながら解決をしていく、というものになっている。

このゲームは以前から欲しいものリストに登録していたものの、なかなか買うまでの決断には至らなかったんだけど、先月末仕事のストレスからつい欲しい物リストにあったゲームを6つほど爆買いしてしまった。(爆買いといっても万単位のものでもなく、せいぜい数千円程度で大したことは無いんだけどね・・)

で、プレイしてクリアしたので感想を書いてみたいと思う。

システム周り

まずはシステム周りについて。

オプション設定

まずはオプション設定から。アドベンチャーゲームとしてはオーソドックスな設定になっていて、メッセージの表示速度やBGMなどの音量に関する設定になっている。

チャート

それと、メニュー画面からはチャート図を選択できる。チャートは各チャプターに対して物語の進み具合と分岐などを表示したもので、キャプチャにあるように分岐が表示されているのと分岐ではないけど「BRANCH」と書かれている項目が存在している。分岐の場合は、横線で分かれるようになっていて、基本的にはストーリー分岐ではなくBAD ENDとなる分岐だ。そしてBRANCHの方は、主人公と恋愛関係になる相手との分岐となっている。

このゲームはおそらくは女性向けで、男性でも遊べるけどメインターゲットは女性であり、女性が主人公となり周りにいる男性との淡い恋愛関係が楽しめる要素も入っている。そのため、対象の男性との関係性、つまり主人公側からみて相手に対して好意を持っているか否かをこのBRANCH項目の中に出てくる選択肢で決めていくことになる。

このBRANCHはストーリーに影響はしないものの、クリアした時のその後の展開が選んだ内容に応じて変わるようになっていて、対象の男性との親密度合いに依存している。おそらくある一定水準に満たなければそういった恋愛要素は省かれたエンディングになるかもしれないけど、恋愛要素を満たしていれば対象の男性との関係を示すエンディングに変わるようになっている。

何れにせよ、同じストーリーではあるものの3人の恋愛対象者とのつながりを楽しむことができるようにもなっている。ゴシックマーダーの時は2人の選択肢だったけど、この未然探偵では3人になっている。

ということで、次は登場するキャラクターについて書いてみたい。

キャラクター


伊月千春

主人公 伊月千春

主人公。過去に誘拐事件の被害者になったことがあり、そのことがトラウマで自信をなくすとその時のことを思い出してしまう。少々抜けていて、自信のなさから失敗を恐れるがあまり変に意識しすぎて余計に失敗してしまうドジっ子。事件のことから警察官を志望していたものの、2度失敗したことで諦め探偵事務所に就職し探偵見習いをやっている。


片桐律子

友人の片桐律子

主人公の友人、片桐律子。主人公の伊月が警察官になるために一緒に試験を受け、伊月は落ちたものの友人の片桐は合格して、こうやって新宿の交番に勤務している。友人ということもあり、最初の段階から事件に関するちょっとした情報を教えてくれる。個人的に感じるのは、最初は主人公が一見弱く普通な人に見えるものの、実はこの片桐律子の方が一般的な人に見えてくる。

主人公にとって頼りになる友人だ。


天野夏樹

刑事 天野夏樹

片桐のあこがれの人で且つ主人公にとっても強力な協力者となる警視庁の刑事 天野夏樹。きっかけは主人公が連続通り魔の標的にされたことで、警護にあたってくれたことから。また、プロテアの開発についても簡単な仕組みを知っている。

どちらかと言えば、頭脳派というよりは脳筋派で体力勝負な部分で強く、理性的に振る舞うより感情を表に出しやすいタイプだ。いわゆる熱血漢といった人で、何かと主人公の助けに入ってくれる。

このゲームでは、主人公の恋愛対象の一人になっている。


高瀬秋彦

上司の高瀬秋彦

主人公の雇い主で探偵事務所所長の高瀬秋彦。主人公のダメっぷりとかおっちょこちょいな部分を理解しつつも、冷静にダメ出しし諭す主人公のお父さん的存在の探偵。

以前は警察官で天野の兄と友人でもあった。天野が熱血漢とするなら、高瀬はクールな性格で普段から理性的な振る舞いをしている。ただ、抜けているところのある伊月のことを何かと心配していて、包容力のある男性でもある。

どうも主人公とは過去にあったことがある節があり、ストーリーが進むにつれてその関わりが見えてくるようになっている。

彼もまた主人公の恋愛対象の一人だ。


トーマ

トーマ

主人公がプロテアを使い始めてから事件現場に現れるようになった謎の人物。トーマと名のり、主人公がプロテアを使っていることに興味を持ちつつも、事件の協力と見返りを求めてくる。ミステリアスな存在で、クールに見えるけど先の二人に比べるとまだまだ子供というか若さがある。

最初のうちは上に書いたようにトーマと名乗っているけど、途中から本名を名乗ってくれる。主人公にとって敵なのか味方なのかは、チャプター3以降に明らかになる。

IT系の技術に優れ、ハッキングなどをメインにしている。

上で敵か味方か?なんて書いたけど、敵か味方かは別にして彼も主人公の恋愛対象の一人になる。


吉野芽衣

依頼人 吉野芽衣

主人公が最初に任されることになる依頼の依頼者。姉が行方不明となっていて、その行方を探して欲しいという依頼をしている。主人公が同性ということもあり、姉の部屋の探索を安心して任せられると話していた。

この吉野芽衣とのやりとりはいわばチュートリアル的なもので、マップの移動や現場の探索、そして相手の論破などひととおりのゲームの流れを体験することができる。

また、彼女の依頼は物語の最後まで繋がっていくことになるので、プレイするときはその言動に注意したい。

ゲームシステム

ゲームは基本的にストーリにー合わせた会話と選択肢(分岐のものと、カテゴリ分け、恋愛要素に絡むもの)で構成されていて、話が進んでいくと探索を行う場面や論破する場面が出てくる。

他に記憶(memory)のメニューから事件に関する証拠や記憶したこと、会った人物などを見ることができるようになっている。また、Lボタンで会話のログを表示することもできるので、論破する場面などではログを見つつ相手を論破する証拠や根拠などを考えるのに役立つ。

あと、プロテアについては、冒頭で軽く触れたので省略。


記憶 プロフィール

プロフィール

プロフィールはこれまでに会ったことのある人が記録される。その人物に対して簡単な説明も記載されている。


記憶 アイテム

アイテム

アイテムには調査などで得たものや特記事項などが記載されている。


マップ

マップ移動

物語が進行していくと、依頼や事件に関係のある場所にマップで移動することになる。ここは基本行ける場所が限られているので、対象外の場所に移動しようとしても、今は違うところを調べるべき、みたいなことを言われて移動できない。ある意味場所移動という形で場面転換する際のアクセントみたいな扱いだと思う。


探索パート

探索パート

調査の段階で不意に探索パートに移行する。この探索パートは特に時間制限とかがあるわけでもないので、全て調べ終えると通常の会話のパートに戻る。

ここでは、印のついた場所を調べることで新たな手がかりを見つける場面で、この探索を行うことで依頼内容や事件に一歩近づくことになる。

論破パート

ある程度証拠が固まってきたところで、事件の核心に踏み込む際に疑いの人物に質問を浴びせるパートに移行する。私は勝手に論破パートと言っているけど、要は相手に質問をぶつけたり証拠を見せて追い詰めていくパートになっている。

おそらく、この未然探偵や少女首領 推理領域、ゴシックマーダーなど全てで物語の奥深さとこのパートで相手を論破することがゲームの楽しみの多くを占めていると思っている。

感想と問題点

ということで、まず感想を述べるなら、Orangeという会社の作るアドベンチャーゲームは、安心して遊べるという感覚が私の中にあって、ストーリーや操作など様々な部分で必要にして十分なものが備わっていると思っている。

キャラクターが喋ったりするわけでもなく、背景は目を見張るほどの綺麗さがあるわけでも無い、アニメーションもしない。でも、それはアドベンチャーとしての本質的な面白さやシナリオがあってこそのことだと思っている。

それらを入れれば価格も上がってくるため、付随要素を抑えることで価格も抑え、そのかわり安価に物語を楽しむことができるゲームという意味では本当にコストパフォーマンスに優れている良質なものを提供してくれていると私は思っている。

今回のゲームも様々な事件を経て物語の最後にたどり着いた時、なるほどそういうワケだったのか・・と感じずにはいられなかった。

ゲームシステムは同じでいいから今後も第4弾、第5弾と出てくれることを願っている。

ただ、1点だけ問題をあげるとすれば、マップのパートで行き先や探索の時に調べる箇所を選択するんだけど、選択しづらいところだ。現在のポイントを示すところから右にカーソルを移動したいのに上に行ってしまったり、下にいきたくてもカーソルが思うところに移動してくれなかったりする。これは、もう少しマップ面や探索面の操作改良の余地があるんじゃないかと思っている。

ということで、未然探偵 The Protea Cases 、プレイ時間は短めなものの楽しむことができたと思っている。次は、少女首領の推理領域 黄金島の密約 を記事として書くつもりだ。(すでにクリアしている)

以上、未然探偵 The Protea Cases の感想でした。

あっ、そうそう書き忘れた。主な登場人物の名前には、日本の四季を表す、春、夏、秋、冬が入っている。ゲームクリアに関する話ではないけど、ちょっとおもしろい。