toscanaAC’s blog

雑記です。

ゲーム感想 災難探偵サイガ - 名状できない怪事件 -

このゲームのゲームデザイナーって、プレイする人に楽しんでもらいたいと思っているんだろうか?

災難探偵サイガ - 名状できない怪事件 -

災難探偵サイガ - 名状できない怪事件 -

年末年始のセールで購入したアドベンチャーゲーム。本当はクリアしてから感想を書こうと思ったけど、とある理由で途中までプレイしてヤメたので、その状態での感想を書いてみる。

ゲームの内容は、タイトルに探偵と出ているからわかるとは思うけど、主人公は天堂サイガという探偵だ。見た目は頬がコケ、痩身で赤いラインの入った黒スーツを着た、何とも運の悪そうな顔つきをしている。運の悪そうな顔つきは伊達ではなく、オープニングの猫探しの依頼でも不審者と間違われてお湯を掛けられ、上にいる人の手が滑って植木鉢が落ちてきて、その後にはカラスにつつかれてしまい、逃げたらマンホールに落ちてしまう・・という不運ぶり。

そんな不運の探偵が(ミステリアスさが全くない)ある占い師と出会い探偵助手にしたことから祭鳴町(さいなちょう)を舞台に物語は始まっていく。

細かい情報は結構しっかりした公式サイトがあるので、気になる人はそちらを確認すればいいと思う。

システム周り

ということで、まずはシステム周りから。

操作説明

HELP を選択すると操作説明が表示される。コントローラのボタンと機能の割当が表示される。これメニュー画面から表示することができたらいいのにね。「あれ、スキップってどのボタンだっけ?」ってなった時に、HELPを見ないと表示されないのがちょっと不親切だ。

次にSETTINGSなんだけど、これ設定した後にタイトル画面に戻ってもう1度SETTINGS画面に入ると、タブの選択はTEXTになってるけど、表示内容がその前に設定した項目になっている。ゲームの進行に支障のある問題ではないけど、こういうちょっとしたバグを放置してリリースするのってどういう神経をしているんだろうな、と思う。

BASIC

BASICは言語選択になっている。ANGEL WHISPERでもそうだったけど、コレ1画面使って設定するような内容か?と思ってしまうのは私だけだろうか・・。3つのタブに分けた内容はどれも大した設定項目でもないので1画面で設定可能にした方が設定しやすいと思うんだけどね。

TEXT

TEXTは、メッセージの表示速度とスキップの種類(既読のみか全て)を選択できる。

SOUND

SOUNDは音量調節で、全体、BGM、SE、ボイスの音量を調節できる。このゲームはボイス付きではあるんだけど、以前記事に書いたBuddyCollection と同じで中途半端なボイスになっている。セリフの全部を喋っているのはごく一部で基本一言ボイスが入る程度だ。

なので私は早々にボイスの音量をゼロにした。中途半端なボイスを聴いても意味が無いというか、寧ろゲームに支障があるので聴きたくない。

それと、BGMの調整は難しくてゲーム中のBGM音量は気にならないんだけど、エピソードクリアした時のジングル音量が大きめでちょっとビックリする。かといって、BGM音量を下げすぎるとゲーム中のBGMが小さくなりすぎてしまう。

何というかBGM全般のノーマライズがちゃんとできてないという印象かな。BGMはシーンにマッチしているだけに、詰めが甘い印象がある。

メニュー画面

ゲーム中に+ボタン押下でメニューが表示される。ちなみにSAVEは20スロット用意されている。

登場人物

次に登場人物。公式サイトに詳しく載っているので、私の記事で書く必要はないだろうけど、まぁせっかくなので。


天堂サイガ

天堂サイガ

ゲームの内容のところで書いたけど運やツキに完全に見放されているといっても過言ではない程の不運な人で、財布を落としたり依頼料を払ってもらえなかったり、調査による怪我は日常茶飯事で生傷が絶えない。占い師からは死相が出ているとまで言われる。ただ、本人は不運と思ってないらしく超絶ポジティブ。

依頼の数も少ないし、依頼されるのは猫探しなどの依頼ということもあり万年金欠状態となっている。その割に探偵事務所として部屋を借りているのが不思議ではあるんだけど、まぁ何とかなっているのだろう・・。

性格はおだやかというかお人好しで流されやすいタイプ。なし崩し的に話が進んでしまうことも多く、出会った占い師や事務所にたむろする小学生に振り回されることが多い。

何故か赤い手袋を着用している。


ヒン・レイ

ヒン・レイ

サイガと出会った占い師。占い師というイメージからかけ離れ、ミステリアスさとかは皆無な活発女子だ。服装や名前を見ると中華系かな?様々な占いに精通し、且つ的中率が高い。ただ何故か公園で野宿(いわゆるホームレスで、ホームレスの知り合いもいる)をしており家住まいになるためにサイガの探偵助手となり、事務所に居候する。

占いで少しは稼いでいるせいか、サイガより食事で良いものを食べたりする。

各エピソードの合間では、ヒン・レイが見る夢のシーンが挟まる。ゲームが始まる時の誰なのかわからない人物の語りとリンクしているのかどうかがわからないけど、何かワケアリなことが示唆される。


蝶乃サナギ

蝶乃サナギ

サイガの探偵事務所にたむろする小学生の女の子。パソコンの操作が得意で探偵事務所のホームページを作ったりしている。

サイガのことが好きで将来サイガとの結婚を夢見ている。助手になったヒン・レイを敵視していて、泥棒猫と罵る。


尾田国麿

尾田国麿

サイガの探偵事務所にたむろする小学生の男の子。常にお面をつけていて、オカルト好き。オカルトグッズをサイガの事務所に置いている。オカルト話を始めると話が長くなる。

不思議なことが起きる祭鳴町の人の依頼には首をつっこみたがる。

あと、サイガからは尾田少年と呼ばれる。


ミルぽん

ミルぽん

女子高生の情報屋。祭鳴町にいる闇社会のメンバーの1人で、ITのスペシャリスト。ネットの情報を収集して分析したり、開発したアプリを使って行動パターンを見つけたりなどお手の物。ただ、依頼料は高く簡単に諭吉(2024年現在の1万円札)が飛んでいく。

女子高生ゆえにギャル語(JK語?)で話すため、サイガやヒン・レイには何を言っているかわからないこともある。(「とりま」とか、「り」とか、「キャパい」とか)

好物なのかいつも祭鳴町名物の「干しタコ」を咥えている。


DG(ドローンじいさん)

DG(ドローンじいさん)

祭鳴町にいる闇社会のメンバーの1人で、ドローン操作のスペシャリスト。彼のドローン監視からは何人も逃げることができないらしい。依頼料は高いけど、ドローンから逃げ切るとタダで依頼を受けてくれる模様(普段からドローンから逃げ切るとタダで受けてくれるのかどうかはわからない、なぜならこのDGとのやりとりでゲームをヤメたからだ・・)

ドローンを操作する時だけ何故かガスマスクのようなゴーグル・マスクを着用する。遠方のドローンを見えるようにするためだろうか・・?


テケリ

テケリ

祭鳴町にいる闇社会のメンバーの1人で、潜入捜査のスペシャリスト。別名は「ダイバー」。どんな人物にも成りすますことができ、本人とすり替わって潜入捜査などを行う。どんな人物にもなりすますことができるため、子供や女性にも姿形を変えることができるという、ちょっとした人外的能力を持っている。

キャプチャは、サイガに成りすましてヒン・レイに接触したテケリ。

マップと探索

次は調査で表示されるマップ画面と探索画面。

マップ画面

マップ画面では、移動可能なエリアがオレンジ枠で囲われている。移動は十字キーでわかりやすく選択できる。またそのエリアの探索が済むとオレンジ枠が消える。

探索画面

調査している時の探索画面やサイガの探偵事務所の中では、この探索画面になる。照準のカーソルを任意に移動させると、情報のある箇所に枠が表示されるので、選択するとその情報に対する会話やイベントが発生する。カーソルの移動はやりやすく、シロナガス島への帰還のようなピーキーさは無い。

シナリオが進む選択肢以外も会話が面白いので、こまめにセーブしておき全ての会話を聞くのもこのゲームの楽しみ方の1つだと思う。

占いによるヒントシステム

占い結果

依頼だったり探しものだったり色々な場面でヒン・レイが占いをすることがある。この占った結果の言葉がヒントになっている。このヒントはそれまでの聞き込みした内容などに関連しているため、聞き込みした時の内容からヒントの内容が推察できるかを考えた上で先に進むようにした方がいいようだ。

ゲーム感想

さて、やっとゲーム感想だ。

まず、このゲームは依頼を受けて調査をし解決していく内容にはなっているけど、依頼内容の解決のために頭をひねるようなこともなく、どちらかと言えばサイガとサイガの周りにいる人々との会話を楽しむのがメインになっていると思う。

クスっと笑えるようなやり取りが面白く、それらの会話が楽しさに繋がっている。で、シナリオがいい加減か?と聞かれればそんなことはなく、祭鳴町で噂になっている不審な人物(黒服)、化け物化した猫など少しずつ不思議現象に対してもエピソードを追うに従い、関連性が見えてくるようになっているし、ヒン・レイの秘密も少しずつ見えてきて面白さを増していく内容になっていると思う。

本当にプレイしていて途中までは楽しかった。正月の元旦にハッピーな気分にもなっていた。

ミニゲームをやるまでは・・。

DGと会ったところで、お金が無いならとドローンから逃げるミニゲームをクリアすればタダで依頼を受けてくれるという流れになる。それでミニゲームが始まるんだけど、これが納得いかないものになっている。

方向キーを素早く入力してドローンからの追跡を5回連続で振り切ればOK、というものなんだけど、4回目と5回目は3秒以内なのに方向入力が6回、8回となっていてかなりの速度で入力できないとゲームオーバになってしまう。ちなみに、入力をミスると入力し直しになる。

4回目:6方向入力

5回目:8方向入力

こんな感じだ。

ミスるとゲームオーバー

ミスるとゲームオーバーになる。(何度でもリトライ可能)

これ、こういったゲームが得意な人ならいいけど、苦手な人は本当に苦手で何度やってもクリアできないなんてことになってしまう。特に5回目は非常にシビアで、苦手じゃなくてもミスしたり間に合わなかったりする人もそれなりにいるんじゃないかと思う。

私は、数十分もこれをやることになり、もう何のためにこのゲームをしているのかわからなくなり、面白くもなければ楽しくもない。ただただ、不愉快でイライラするだけのミニゲームをやらされているような気分になり、やる気が全く無くなってしまった。

それまでの楽しい気分は吹き飛び、不快感だけが残る結果になり、このミニゲームをクリアしてもストレスや不愉快の感情の方が強く、同時に虚無状態にもなってしまい、続ける気にならなくなってプレイを止めた。

それが冒頭の言葉になっている「このゲームのゲームデザイナーって、プレイする人に楽しんでもらいたいと思っているんだろうか?」だ。

おそらくゲームを楽しんでもらうつもりで入れたミニゲームなんだろうけど、こういったミニゲームが苦手な人には嫌がらせをされているような気分になるということを認識できているだろうか?ミニゲームを導入する際、さまざまなプレイヤーでテストプレイを行っているんだろうか?

そんな疑問が湧いてきた。

以前も記事にしたけど、ゲームの難易度調整についてちゃんと対応できないデザイナーが作るとこんなミニゲームが出来上がるんだろうなと思う。

このゲームのゲームデザイナーには、遠藤雅伸さんの「「ちょうどいい」と感じる難易度調整」の記事を100万回読め!と言いたくなる。

これパッケージ版だと5000円以上もするゲームになっているけど、こういうのが苦手な人は買わない方がいいと思う。楽しいと思っていた気分が全てぶち壊されることになる。

以上、災難探偵サイガ - 名状できない怪事件 - の感想でした。

追記(2024/01/02)

ミニゲームについてもう少しdisる。

ブログを始める前に既にクリアしていたので記事にはしていないけど、「イヌワシ~うらぶれ探偵とお嬢様刑事の池袋事件ファイル~」という長いサブタイトルのアドベンチャーゲームがある。

このゲームもタイトル通り探偵もので、捜査時に相手と格闘となるシーンなんかではミニゲームでその結果が変わるようになっている、そしてミニゲームで獲得した★や他の捜査などで得た★の数によってその章の終わりが、グッドエンドかノーマルエンドか、バッドエンドの何れかに分岐するようになっている。

このミニゲーム、当時リズムゲーム音ゲー?)が流行っていたからだと思うけど、バーが左右に動いて真ん中のエリアでタイミングよく止めるというもので、序盤は大したことないものの後半になるとかなりタイミングがシビアになりプレイしていてストレスが溜まるものだった。

ただ、このミニゲームがクリアできないと先に進めないといったものではないし、このミニゲームで★が獲得できなくてもグッドエンドが見れないというものでもないため、ゲームの進行に大きな影響が出ないような作りになっている。つまりゲーム進行に支障を来すような内容ではなく、あくまでミニゲームという立ち位置になっている。これが、災難探偵サイガとの大きな違いだ。

災難探偵サイガでは、このミニゲームをクリアしないと先に進めない状態になっている。

しかもクリアできないプレイヤーがいるかもしれないという想定をゲームデザイナ(遠藤さんの記事では、レベル調整はプランナーかな)ができていないため、難易度調整がされていない。例えば、5回単位でリトライしてもクリアできない場合は、4回目と5回目の制限時間を1秒ずつ増やしていくとかの救済措置が入っていれば、こういったゲームが苦手な人でも回数を重ねることでクリアし易くなると思う。

でも、このゲームはそういった難易度調整が入らないため、プレイヤーがその難易度に順応することを強制してくる。これをデザイナー(プランナー)の想定不足と呼ばずして何と呼べばいいのだろうか?

ゲーム開発に携わったこともない私ですらこの程度のことは考えられるのだから、このゲームのデザイナーって素人レベルかそれ以下なんじゃないだろうか。このゲームのプレイをヤメたのは、そういった事で期待値が下がってしまったことも関係している。