toscanaAC’s blog

雑記です。

雑記 僻地医療

youtubeでたまたま、ABCテレビニュースの京都 南丹市美山町の診療所の話を見た。検索してみると、この話は3週間前にもMBS NEWSのチャンネルでもやっている。

要するに、町内で唯一の市が運営する診療所で、財政面から入院設備の使用を制限されたことに対し以前から再三使用できるように依頼していた医師が、再開しない市の方針に対し三下り半をつきつけたという話だ。

これは、市の説明がこの医師が以前体調を崩し休んだことがあることを理由に働き方改革の一貫として医師の確保ができるまでは入院設備の使用制限をしたことが事実と相違している点や、コンサル会社の意見として医療費が財政圧迫の原因になっている点を市として受けれた点が納得いかないということのようだ。(実際には休んだことは1度あったが、それが原因で入院設備の休止を依頼したことも無いし、その後は通常勤務を行っていたとのこと。また、入院設備が必要なのは、高齢者は風邪を引いても体力が落ちて立てなくなったりするので高齢者の多いこの地域ではどうしても必要とのことだった。)

この話、なかなか難しい。

民間の医療業者が撤退(つまり経営できない)するほど住民が少なく高齢者が多い地域では、不便であっても医療の整う都市部へ行き診察してもらうことになるけど、そうなると高齢者のように体力が落ちている人の場合は手遅れになってしまう場合がある。そのため、その地域に簡単な病気なら治療、大きな病気なら応急処置ができる医療体制が必要になるんだけど、それをやるにはお金が掛かる。

ここの地域でも市が診療所に5000万円/年を補填していることを考えると、医療に入院設備が必要なのはわかるものの市としても可能な範囲でこの美山町にフォローをしていたため、今後財政が厳しくなるということであれば、どうしてもそこを削るということになるのは理解できる。

加えて働き方改革についても、今勤務されている医師の働き方はかなり大変な働き方をしていると思われる(本人はそう思ってないかもしれないけど・・)ので、もしこの方が辞められて他の医師が来た時に同じ働き方を住民から求められても困ると思うんだよね。僻地医療がそこに来た医師の自己犠牲によって成り立っている状態というのは正しい状態とは思えないので、改善する必要がでてくるのもわかる話だ。

そう考えると、残念だけど高齢者の方に都市部に移住してもらうのが、安心して医療を受けられる状態を作ることができ、市としても診療所の支出を抑えることができる解決策の1つになるんじゃないかと思ってしまう。(まぁ今回市が移住を勧めているわけではないけど)

長年住んできた土地とか親や先祖の墓があるとか、田んぼや畑があるといったその土地に残りたい理由はわかるものの、それを言い続けていても無い袖は振れないワケで、今回のような対応になっちゃんうんじゃないかな。

別に美山町だけの問題じゃなくて、日本のそこかしこで置きている問題だと思うけど、そういった地域に住み続けるか否かは自分で判断することになるので、行政で対応できない時が来ることを考えて自分の身の振り方を考える必要があるんじゃないかな。特に高齢者の人は。(もちろん実際にはそんな単純な問題ではなく、移住のための費用はどうするのか?とか住民間でフォローしあっていたのと違って、都市部ではフォローしてくれる人も必要になるからその人達の確保をどうするか?とか、都市部に移住させても生きる気力を失ってしまうかもしれないとか。。私には想像できない問題も色々とあると推測している)

飛躍してしまうけど、失われた30年と言われ経済成長ができず停滞し、少子高齢化を加速させてしまった日本の政治のしわ寄せがこういったところに来てしまっているんだろうな・・と色々と考えてしまう。アベプラとかで、こういった話を議論したらどういった議論になるのか、ちょっと見てみたい気もする。

あと、この話をみてフジテレビのドラマにあったDrコトー診療所の話を思い出した。これも僻地医療の話を描いている。離島で大きな怪我や病気をしたら諦めるしかないといった価値観が定着している島民と、医療ミスというか都市部の医療に対する問題で対応できない状態になっていた優秀な医師が僻地医療に身をおき医療に対する気持ちを取り戻していくという物語(フジなのでかなりドラマチックな話になっているけど・・)。このドラマでも僻地医療は、医師の自己犠牲で成り立っているようなものといった問題が描かれている。ドラマだから感動的な話に仕立てているけど、実際問題としてお金の話や医師の働き方は無視できないんじゃないかと感じた。

ちなみにこのDrコトー、昨年末にその後の物語が映画化されている。あと、ドラマでは僻地医療だけではなく都市部の医療の問題も描かれていて、漫画のブラックジャックによろしくの中の夜間医療の話に似たような状態がドラマでも出てくる。

ということで、いずれにせよ、難しい話だな・・と思いながら見ていた、という雑記でした。

追記(2023/06/11)

書きわすれ。

最初にこのyoutube動画を見た時に、素朴に疑問に感じたのは、「なんで辞めるのか?」だった。入院設備が無くてそれで高齢者が命を失うことになるかもしれないのはわかるんだけど、全てそういうことばかりではなく、入院の必要の無い病気の対応だって継続できると思うんだけどね・・。実際に昨年10月から入院設備が休止になってからも今まで診療を続けていたわけだし・・。

もちろん医師の方の自由ではあるんだろうけど、ちょっとそこは疑問に思ったかな。

何れにせよ、新しい医師が見つかるか否かは別にして、今後は新しい医師(日替わり派遣とか)が来て回していくってことなんだろうな。